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とと姉ちゃんのロケ地にて……

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NHK朝のテレビ小説「とと姉ちゃん」も今週で最終回。『暮しの手帖』の創設者であり、編集者の大橋鎭子さんをモデルにした物語り。編集者として、学ぶべきところも多いはず、とこれまでの朝ドラを見るのとはちょっと違う心持ちでみていた気がします。
主人公のとと姉ちゃんたちが、上京して木場に住んでいたころ、“近所のお寺”として登場していた場所が千葉の実家の近くだと知ったのは、番組の冒頭で流れるテロップ。「千葉県匝瑳市(そうさし)」ってどういうこと?と調べたら、“近所のお寺”は、飯高寺(はんこうじ)という、その周辺ではちょっと知られた場所でした。母と近くにいったついでに、ちょっと寄ってみようということになり、行ってみたら……。そうそう、この建物、この光景は、まさにとと姉ちゃん(高畑充希)が母(木村多江)とお参りに訪れていた場所。とと姉ちゃんと星野さん(坂口健太郎)が出会ったあの場所……。

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ここは、「飯高檀林(いいだかだんりん)」という日蓮宗最古で最大の学問所があったところで、天正8年(1580年)から明治7年(1874年)まで294年にわたって、最盛期には600~800人の学僧が集まり、多くの名僧を輩出したといいます。今も廃檀当時のまま保存されていて、境内全体は県指定史跡に指定され、「総門」「鼓楼」「鐘楼」「講堂」は国指定の重要文化財なのだとか。ドラマ内で“お寺として使われた建物”は「講堂」で、県内で一番大きな重要文化財だといいます。

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「講堂」に向かい右サイドにあるユニークな形の茅葺き屋根の建物は「鼓楼」で、学僧を集めるために太鼓を打ち鳴らしたのだとか。

tera_4こちらは「講堂」に向かって左サイドにある「鐘楼」。

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明治になって檀林は廃止され、法華教学の教育機関は立正大学へと移行しますが、建学精神の出発点はここにあるということで、ここが国内最古の大学として知られる立正大学の発祥地とされています。

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うっそうとした杉林が林立していてる敷地内を歩いていると、どこか遠くへ来たような気分になります。大きく深呼吸をすると、新緑のにおいが体のなかに染み入っていくよう。わずかな時間でしたが、歴史や自然の力にどこか癒されたような気がしました。日常のなかのちょっとした寄り道は、やっぱり大切ですよね。