Health&Beauty からだの話

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03

朝起きたら耳が聞こえない!?
まさかの難聴?!

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朝起きたら、うん? 耳が変?! なんか左耳が塞がってる感じ。ちょうど、プールで耳に水が入ったときのような……。耳抜きをしたり、めん棒で耳掃除を試みるけど、まったく変化なし。これってかなり気持ちが悪い感じなのだけど、そのうち治るかな? 治るだろう、と出かける準備をして…。そんなこんなで、結局、治らずに3日目にようやく事務所の近くの耳鼻咽喉科のクリニックへ行きました。

低音障害型難聴って?

問診とスコープでの診察後、防音室で聴音検査。結果はというと、左耳のみ低音が聞こえづらい状態で、「低音障害型感音難聴」、いわゆる「低音難聴」の疑いが!
問題は、内耳にあるかたつむりのような形をした「蝸牛(かぎゅう)」(上の写真の下側の丸まってる部分)で、ここを流れるリンパ液の「水はけ」が悪くなって、リンパ液がたまってしまうこと。すると、蝸牛内の水圧が上がって正常に機能しなくなってしまい、その影響を一番受けるのが、低い周波数の音を感じる神経だと考えられているとのことです。

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耳の中にリンパ液がたまる?

一方、聞きづらい、耳鳴りがするなどの症状とともにめまいを伴うのが、メニエール病。これは、平衡感覚と関係する前庭という部分でもリンパ液が増えるためとされています。低音障害型感音難聴では、リンパ液が増えるのは蝸牛だけなので、めまい症状はないということのよう。ただし、薬の治療で治らない場合や治ってもくり返しながらメニエール病へ移行することもあるのだとか。
そして、もうひとつ、似たような症状を起こすのが、突発性難聴。こちらもめまいを伴うため、メニエール病と混同されがちらしいですが、こちらは、血流障害やウィルス感染が原因と考えられていて治療法も異なるようです。mimi2up

原因はストレス。女性に増えてるみたい

低音障害型感音難聴の原因はというと、ストレスや睡眠不足。耳の内耳にはとっても細い血管が密集していて、特にストレスの影響が出やすいというのだけど、う〜ん、睡眠はたぶん足りているし、ストレスの自覚もあまりなかったのだけど。ストレスか〜やっぱり……。薬で治療すれば、人によっては1週間で改善されるとのこと。下の写真が今回のお薬で、イソバイドシロップはいわゆる利尿剤で間接的に内耳に含まれているリンパ液を排出する作用があり、アデホスコーワは血管拡張作用により内耳障害を改善するお薬で、メチコバールは、末梢性神経障害の治療薬で突発性難聴やメニエール病にも処方されるのだとか。このイソバイドシロップ、ぶっちゃけ苦くてマズいです。でも、がまんしてのみました(笑)。

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耳の違和感はほおっておいてはいけません!

1週間後に再診して検査すると、改善しているもののまだ完治しておらず、もう1週間薬をのんで経過を見ることに。でも、ある日、朝起きるとなんだか耳の閉塞感がとれた感じが。お薬をのみ始めて12日目ぐらいでしょうか。その2日後の検査では左耳の方がよく聞こえているかも、という結果が!
でも、高い音は左右ともに聞こえづらく、これは加齢によるものらしい(がっくり)。今回、学んだのは、低音障害型感音難聴や突発性難聴は、女性に増えている病気で、ほおっておくと悪化してしまい、完治できなくなる場合があるとのこと。耳の閉塞感やおさまらない耳鳴りなど耳に違和感がある場合、めまいなどの症状があれば、すぐに耳鼻咽喉科に行きましょう。

 

 

09
01

においといえば、口臭も!
気になります

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忘れていました。においといえば、口臭も気になりますよね。

口臭の原因は、歯周病と舌苔

口臭の9割は口の中にあるといわれています。
特に、歯周病が進行しているとにおいが強まります。というのも、歯周病を引き起こすのは、歯の表面に付着した細菌たち。うじゃうじゃいる細菌たちが、食べかすなどのたんぱく質によって分解されるとねばねばっとしたプラーク(歯垢)やバイオフィルムに変身。プラークが歯ぐきに感染すると歯ぐきが腫れて出血しやすくなる歯肉炎になり、放っておくと歯槽骨という歯を支えている部分にまで炎症が及ぶ歯周炎になり、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまいます。
その歯周病の進行過程、つまりねばねばっとした細菌軍団の、プラークやバイオフィルムからメチルメルカプタンという魚が腐ったような悪臭や、腐った卵のようなにおいの硫化水素などの有毒ガスが発生します。
同時に、歯周病が進むと口内の細菌が増えて、舌の表面に白い苔のような「舌苔」が増えます。この舌苔も揮発性の悪臭を生むため、においはさらに強力になります。

※プラークは細菌が集まったもので、バイオフィルムは、細菌同士が集まってスクラムを組み膜内でコミュニティを形成。プラーク(歯垢)はバイオフィルムの一種だと考えられています。歯石は、プラークが石灰化したもの。

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もし、口臭を感じていたら、いえ、自分でにおいを感じなくても、たとえば朝起きたら口の中がネバネバしている、口の中がよく乾く、舌全体が白っぽい、歯ぐきが腫れたり出血したりする……などがあれば、まずは、

☆歯医者さんでたまった歯垢や歯石を取り除く

 

そして、セルフケアや予防として、歯磨きを見直しましょう。

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1)歯間ブラシかフロスで歯の間までキレイに!

歯ブラシの後は、必ず、歯間ブラシかフロスを使って歯の間の汚れもとり除きましょう。

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2)毎日、舌のお掃除も忘れずに!

舌苔は、1日1回、朝食後の歯を磨く前に、専用の舌ブラシなどを使い、やさしくこすり落としましょう(めん棒を使ってもOK)。

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3)薬用デンタルリンスで細菌にダメージを!

薬用のデンタルリンスは、バイオフィルムの付着を防ぐなど歯周病予防には効果的。ただし、バイオフィルムがたまった状態にはあまり効果がないようなので、ご注意を。

4)食事はよくかんで唾液を出す!

よくかむことは、唾液の分泌を促します。唾液には殺菌効果があり、また、食べ物を咀嚼して飲み込む際には舌苔が落ちる効果が。年齢とともに唾液の分泌は減ってしまうので、食事は抜かずにしっかりとってよくかんで食べるようにしましょう。

口臭は年齢とともに強くなるといわれています。歯科医院での定期的なケアと毎日の歯と舌のケアを徹底したいものです。

 

 

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16

気になるにおいはこれで解決!
(におい対策編)

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汗をこまめにふき取り、制汗&抗菌グッズを

この時期のにおい対策は、まず、汗をこまめにふき取り、菌を繁殖させないようにすること。ただし、強くふき取ったり、繰り返しふき取ると皮膚に刺激を与えるのでやさしくふき取ることを忘れずに。蒸れやすい足裏やわきの下などには、汗を抑える制汗作用の成分や菌の活動を抑える抗菌成分配合のスプレーやクリームなどが効果的。消臭・抗菌作用のあるソックスやインナーなどを利用するのも手です。

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頭と首の後ろをしっかり洗って、ミドル脂臭対策

ツーンと鼻を突く「ミドル脂臭」は、皮脂腺内で発生するにおいのため、皮脂腺が多く集まる耳の後ろあたりから発生しやすく、頭皮から首の後ろ周辺は毎日洗い清潔にすることが重要。問題なのは、水に溶けにくく肌にこびりつきやすい、その性質。シャワーを浴びて汗を流す程度では、においが落ちないので、頭は毎日シャンプーを。指の腹を使って頭皮全体をくまなくしっかり洗うのが効果的のようです。ミドル脂臭のにおいの成分・ジアセチルには、カンゾウやケイヒなどの植物エキスが有効だとされているので、シャンプーなどは成分表をよく見てチョイス。加齢臭や汗臭とは原因が異なるので、自分のにおいを見極めて、最適な対策を。

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加齢臭もしっかり洗浄&消臭グッズも効果的

加齢臭の原因物質も水に溶けにくく肌にこびりつきやすいので、ボディは石けんなどの洗浄剤を使ってしっかり洗い、清潔に保ちましょう。ただし、洗いすぎは皮膚を乾燥させて細菌を繁殖しやすくるので禁物です。加齢臭のもとなる脂肪の酸化や分解を防ぐ成分などを配合した洗剤や消臭スプレー、みょうばんなどのグッズも人気です。

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脂肪食を抑えて抗酸化成分を。
血行促進やストレス発散も有効?!

とはいえ、ミドル脂臭や加齢臭のもとを断つには、内側からのケアこそ重要かもしれません。加齢臭の原因は、皮脂腺から分泌される「パルミトオレイン酸」という脂肪酸と「過酸化脂質」。「パルミトオレイン酸」は動物性脂肪を含む食品を多く食べたときに発生しやすく、「過酸化脂質」は活性酸素量に比例して増加します。過酸化脂質とは、体内の活性酸素によって酸化した脂。この2つの分泌が抑えられれば、加齢臭を予防できるのですから、油の多い肉類を控えて、抗酸化成分が多く含まれる食材を積極的にとるのもポイントです。ミドル脂臭もにおいの発生に皮脂が関与するので、同じ対策が有効のよう。また、ミドル脂臭の原因になる汗中の乳酸は激しい運動をしたときなどに生成される物質ですが、血行不良によっても発生しやすくなるといわれます。適度な運動や入浴で血行を促したり、ストレス発散を心がけるのもよさそうです。加齢臭は男性特有のものではなく、女性も閉経を機に女性ホルモンが低下することで発生しやすくなるといわれているので、意識するよう心がけたいものです。

 

 

07
25

女性が気になるわきと足
(におい女性編)

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女性にとってこの時期、特に気になるのが、わきの下と足のにおい。わきの下は、においだけでなく汗ジミも気になるし。生足でサンダルを履いたり、ストッキングで蒸れた足からはイヤなにおいが……。わきも足もにおいの原因は汗。汗自体は臭くないのですが、汗が皮脂や雑菌と混じりあうことで、においを発します。しかも、汗を出す汗腺は2種類あって、それぞれ発するにおいが異なるのです。

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無臭な汗に、菌や皮脂が混ざってにおい発生

男女ともに、汗臭その1の原因は、全身にある「エクリン汗腺」から出る汗。無臭なはずの汗も、ストレスを感じたり、エアコンの影響などで汗腺の機能が弱ると、臭くて粘ついた汗に。これに皮脂や雑菌が混ざると、干物のような乾いたにおいやアンモニア臭がします。足のにおいや体育部の部室のにおいがまさにこれです。

足とワキのにおいが異なるのは汗腺の違い

汗臭その2の原因は、毛穴にある「アポクリン腺」から出る汗。皮脂腺から出る脂肪酸と混ざり合い、それを常在菌が食べることでにおいが発生します。甘酸っぱいにおいやこもったようなカビ臭など、複雑で強いにおいに。アポクリン腺は、わきの下など限られた場所にあり、わきがや陰部などのにおいはこれが原因になるといいます。

ただし、わきの下には、「エクリン汗腺」「アポクリン汗腺」「皮脂腺」があるので、正確には、ここから出る汗と皮脂と、さらに雑菌が混ざり合ってにおいを発します。においがきつい人やわきがの人は、「アポクリン汗腺」から出る汗が多いということになります。

汗臭1と2をまとめるとこうなります。

●汗臭1=エクリン腺で発生する汗+皮脂や雑菌=吉草酸やアルデヒド類
=干物のような乾いた汗臭さ。足の臭い。

●汗臭2=アポクリン腺で発生する汗+皮脂や雑菌=3メチル2ヘキセノイン酸
=甘酸っぱくスパイシーなにおい。わきがはコレ。

変な足のにおいはストレスのせい?!

主に汗臭1に分類される足裏のにおいですが、足裏のエキスパートによれば、足裏のにおいには、すっぱいにおい、タイヤの焦げたようなにおい、便のようなにおい等々さまざまなにおいがあり、心や体の状態をあらわしているといいます。
前述のとおり、汗自体はくさくないので、汗をこまめにふきとることがにおい発生を抑える第一歩のよう。においにはフタをせずに、しっかり対策をしたいものです。対策編は次回で。

 

 

07
11

そのにおい、加齢臭じゃないかも!
(におい男性編)

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夏はなにかとにおいが気になる季節。汗の臭い、足の臭い、ワキの臭い、そして口臭……。最近は、男女ともににおいを気にする人が増加中。まずは、男性の気になるにおいのお話から。

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これは、男性の年齢とにおいに関するグラフ。もちろん、今の季節は汗のにおいが気になる人が多いと思いますが、このグラフのように年齢によってもにおいは変化するよう。体から発する臭いは、主に「汗臭」「加齢臭」があることが知られていましたが、それに加えて30〜40代の男性に多い「ミドル脂臭」なるものがあることがわかってきました。女性の多くが“臭い”と感じる男性から発するツーンと鼻につくにおいは加齢臭ではなく、ミドル脂臭だというのです。 ※(データ:マンダム)

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加齢臭はにおわない?!

加齢臭は、中高年特有の体臭の原因が、不飽和アルデヒドの2-ノネナールという物質にあるという資生堂の研究によって発見され、ここ数年、男性のイヤなにおいとしてクローズアップされてきましたが、どちらかというとキツいにおいではなく、ほこりっぽいような押し入れのちょっとかび臭い感じのにおい。とり立ててイヤなにおいと感じる人は少ないかもしれません。ノネナールは加齢によって増えるため、40代後半から出始めて50代以降で顕著に。女性も閉経をすぎると加齢臭に注意が必要といわれています。

●加齢臭=皮脂腺の皮脂(パルミトオレイン酸)+過酸化脂質=ノネナール
=古い油や古本、生っぽいカビ臭さ。背中あたりから発生。50代以降に多い。

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ツーンと鼻を突く「ミドル脂臭」って?

では、男性から発するツーンとする油っぽいにおいはなんでしょう。解明したマンダムによると、においの原因はジアセチルという物質。頭皮や首にある汗腺から乳酸を含んだ汗が分泌され、その乳酸を皮脂常在細菌のブドウ球菌が代謝することでジアセチルが発生。皮脂のにおい成分である中鎖脂肪酸と混ざりあうことで、不快なにおい、名付けて「ミドル脂臭」になるといいます。
最初のグラフのように、年齢によって発するにおいが異なる理由として考えられているのが、汗をかく部分や量の変化。若いころはわきからの汗が多く、30〜40代は頭部から首にかけての汗が増え、乳酸の量と皮脂の分泌量も30〜40代にピークになるため、ミドル脂臭が発生しやすいと考えられています。ミドル脂臭がにおうのは、頭部から首の後側。このあたりで、ちょっとツーんとしたにおいがしたら、ミドル脂臭を疑ってよさそうです。

●ミドル脂臭=乳酸を含んだ汗+肌の常在菌(ブドウ球菌)=ジアセチル
=酸化しきった油のにおい。後頭部あたりから発生。30〜40代の男性に多い。

アンモニア臭は疲労困憊のサイン?

さらには、疲労臭なるものがあるのをご存じですか? 疲労臭のにおいはアンモニア。ツンとした、尿のにおいです。アンモニアは、肝臓でたんぱく質が分解されてできる成分で、通常は肝臓のオルニチン回路で無害な尿素に作り変えられた後、尿として排出されます。ところが、肝機能の低下や免疫力の低下、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが崩れるなどの要因で、アンモニアが分解されなくなり、処理しきれなくなったアンモニアが汗の中に出てしまい、においを発するといいます。

●疲労臭=肝臓でアンモニアが処理できない状態になると、汗や皮膚から発生するツーンとしたアンモニア臭。疲れた人から発生。

汗のにおいも含め、加齢臭やミドル脂臭など、いろいろとにおうこの季節には、効果的な対策をした方がよさそうです。