Health&Beauty からだの話

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女性が気になるわきと足
(におい女性編)

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女性にとってこの時期、特に気になるのが、わきの下と足のにおい。わきの下は、においだけでなく汗ジミも気になるし。生足でサンダルを履いたり、ストッキングで蒸れた足からはイヤなにおいが……。わきも足もにおいの原因は汗。汗自体は臭くないのですが、汗が皮脂や雑菌と混じりあうことで、においを発します。しかも、汗を出す汗腺は2種類あって、それぞれ発するにおいが異なるのです。

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無臭な汗に、菌や皮脂が混ざってにおい発生

男女ともに、汗臭その1の原因は、全身にある「エクリン汗腺」から出る汗。無臭なはずの汗も、ストレスを感じたり、エアコンの影響などで汗腺の機能が弱ると、臭くて粘ついた汗に。これに皮脂や雑菌が混ざると、干物のような乾いたにおいやアンモニア臭がします。足のにおいや体育部の部室のにおいがまさにこれです。

足とワキのにおいが異なるのは汗腺の違い

汗臭その2の原因は、毛穴にある「アポクリン腺」から出る汗。皮脂腺から出る脂肪酸と混ざり合い、それを常在菌が食べることでにおいが発生します。甘酸っぱいにおいやこもったようなカビ臭など、複雑で強いにおいに。アポクリン腺は、わきの下など限られた場所にあり、わきがや陰部などのにおいはこれが原因になるといいます。

ただし、わきの下には、「エクリン汗腺」「アポクリン汗腺」「皮脂腺」があるので、正確には、ここから出る汗と皮脂と、さらに雑菌が混ざり合ってにおいを発します。においがきつい人やわきがの人は、「アポクリン汗腺」から出る汗が多いということになります。

汗臭1と2をまとめるとこうなります。

●汗臭1=エクリン腺で発生する汗+皮脂や雑菌=吉草酸やアルデヒド類
=干物のような乾いた汗臭さ。足の臭い。

●汗臭2=アポクリン腺で発生する汗+皮脂や雑菌=3メチル2ヘキセノイン酸
=甘酸っぱくスパイシーなにおい。わきがはコレ。

変な足のにおいはストレスのせい?!

主に汗臭1に分類される足裏のにおいですが、足裏のエキスパートによれば、足裏のにおいには、すっぱいにおい、タイヤの焦げたようなにおい、便のようなにおい等々さまざまなにおいがあり、心や体の状態をあらわしているといいます。
前述のとおり、汗自体はくさくないので、汗をこまめにふきとることがにおい発生を抑える第一歩のよう。においにはフタをせずに、しっかり対策をしたいものです。対策編は次回で。

 

 

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そのにおい、加齢臭じゃないかも!
(におい男性編)

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夏はなにかとにおいが気になる季節。汗の臭い、足の臭い、ワキの臭い、そして口臭……。最近は、男女ともににおいを気にする人が増加中。まずは、男性の気になるにおいのお話から。

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これは、男性の年齢とにおいに関するグラフ。もちろん、今の季節は汗のにおいが気になる人が多いと思いますが、このグラフのように年齢によってもにおいは変化するよう。体から発する臭いは、主に「汗臭」「加齢臭」があることが知られていましたが、それに加えて30〜40代の男性に多い「ミドル脂臭」なるものがあることがわかってきました。女性の多くが“臭い”と感じる男性から発するツーンと鼻につくにおいは加齢臭ではなく、ミドル脂臭だというのです。 ※(データ:マンダム)

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加齢臭はにおわない?!

加齢臭は、中高年特有の体臭の原因が、不飽和アルデヒドの2-ノネナールという物質にあるという資生堂の研究によって発見され、ここ数年、男性のイヤなにおいとしてクローズアップされてきましたが、どちらかというとキツいにおいではなく、ほこりっぽいような押し入れのちょっとかび臭い感じのにおい。とり立ててイヤなにおいと感じる人は少ないかもしれません。ノネナールは加齢によって増えるため、40代後半から出始めて50代以降で顕著に。女性も閉経をすぎると加齢臭に注意が必要といわれています。

●加齢臭=皮脂腺の皮脂(パルミトオレイン酸)+過酸化脂質=ノネナール
=古い油や古本、生っぽいカビ臭さ。背中あたりから発生。50代以降に多い。

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ツーンと鼻を突く「ミドル脂臭」って?

では、男性から発するツーンとする油っぽいにおいはなんでしょう。解明したマンダムによると、においの原因はジアセチルという物質。頭皮や首にある汗腺から乳酸を含んだ汗が分泌され、その乳酸を皮脂常在細菌のブドウ球菌が代謝することでジアセチルが発生。皮脂のにおい成分である中鎖脂肪酸と混ざりあうことで、不快なにおい、名付けて「ミドル脂臭」になるといいます。
最初のグラフのように、年齢によって発するにおいが異なる理由として考えられているのが、汗をかく部分や量の変化。若いころはわきからの汗が多く、30〜40代は頭部から首にかけての汗が増え、乳酸の量と皮脂の分泌量も30〜40代にピークになるため、ミドル脂臭が発生しやすいと考えられています。ミドル脂臭がにおうのは、頭部から首の後側。このあたりで、ちょっとツーんとしたにおいがしたら、ミドル脂臭を疑ってよさそうです。

●ミドル脂臭=乳酸を含んだ汗+肌の常在菌(ブドウ球菌)=ジアセチル
=酸化しきった油のにおい。後頭部あたりから発生。30〜40代の男性に多い。

アンモニア臭は疲労困憊のサイン?

さらには、疲労臭なるものがあるのをご存じですか? 疲労臭のにおいはアンモニア。ツンとした、尿のにおいです。アンモニアは、肝臓でたんぱく質が分解されてできる成分で、通常は肝臓のオルニチン回路で無害な尿素に作り変えられた後、尿として排出されます。ところが、肝機能の低下や免疫力の低下、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが崩れるなどの要因で、アンモニアが分解されなくなり、処理しきれなくなったアンモニアが汗の中に出てしまい、においを発するといいます。

●疲労臭=肝臓でアンモニアが処理できない状態になると、汗や皮膚から発生するツーンとしたアンモニア臭。疲れた人から発生。

汗のにおいも含め、加齢臭やミドル脂臭など、いろいろとにおうこの季節には、効果的な対策をした方がよさそうです。